コラム

シリコン塗料の人気の理由 他塗料との比較と施工前チェックポイント

2023年08月16日

リフォーム塗装を業者に相談すると、高い確率でシリコン塗料を勧められます。
しかしながら、必ずしも自宅にシリコン塗料が適しているとは限りません。

ここでは、シリコン塗料と他塗料を比較しながら、お住まいとの適性を探っていきます。
施工時の注意点、業者選びのチェックポイントにも言及しているので、ぜひシリコン塗料によるリフォームにお役立てください。

シリコン塗料の人気の理由 他塗料との比較と施工前チェックポイント

プロがシリコン塗料をイチ押しする理由

プロがシリコン塗料をイチ押しする理由はコストと耐久性とのバランスのよさからです。

消費者のニーズは常にコストと品質との兼ね合いで決断されます。
「安かろう悪かろう」を警戒し、どれだけ品質が優れていても高過ぎる商品には二の足を踏むものです。

シリコン塗料は、5種類ある塗料のうちコストも耐久性も3番目、まさに高過ぎず安過ぎず、ほどほどの耐久性で消費者も安心できます。

熱や紫外線に強く、耐水性も高いなどメリットが多く、光沢のある堅牢な塗膜面は汚れを寄せ付けません。

人気が商品開発に拍車をかけ選択肢も多いため、ますます需要が高まっています。

シリコン塗料と他塗料との比較

以下は5種類の塗料のコストと耐用年数の比較表です。

塗料の種類 1㎡あたりの価格相場 耐用年数 特徴
アクリル塗料 1,000円〜1,500円/㎡ 4〜7年 使いやすい
ウレタン塗料 1,700円〜2,200円/㎡ 6年~10年 シリコン人気前の主流

独特の光沢がある

シリコン塗料   2,300円~3,300円/㎡   8年~15年 バランスがよい
ラジカル塗料   2,700円~3,600円/㎡ 12年~15年 チョーキングしにくい

2015年開発で数が少ない

フッ素塗料 3,600円~4,700円/㎡     15年~20年  耐久性では断トツ

5種の比較表を見ると、プロでなくてもシリコン塗料を選択したくなります。

しかしながら、塗料の選択は塗装面や建物の条件に左右されます。
塗装後そう長く住まないようなら、アクリル塗料やウレタン塗料の方が経済的でしょう。
紫外線の強い場所なら耐久性に優れたフッ素塗料も選択肢です。

シリコン塗料によるリフォーム|施工前のチェックポイント

シリコン塗料によるリフォーム塗装を業者に依頼する前に、下記4項目をチェックしておきましょう。

1.シリコン塗料に適しているか
2.DIY塗装は避ける
3.屋根と外壁では塗料の耐久性が異なる
4.塗料について知っておく

それぞれについて解説します。

シリコン塗料が向かない家もある

シリコン塗料は避けた方がよいと思われるケースは以下の3つです。

・大邸宅
・塗り替え回数を抑えたい家
・6~7年での退去、もしくは売却を検討している家

大邸宅は塗装面積が広いため、短い周期で塗り替えをしたらトータルコストが高くなります。
塗り替え回数を抑えるためにも、耐用年数の長いフッ素塗料にした方が賢明です。

逆に、あと数年で退去するようなら安価なウレタン塗料やアクリル塗料でも十分でしょう。

DIYによる塗装は避けた方が無難

施工のコストを、より安く抑えるためにDIYでの塗装を考える方は多いでしょう。
しかしながら、シリコン塗料はDIYには向きません。

なぜなら、シリコン塗料は低粘度のため常に攪拌が必要であり、取り扱いが難しい塗料だからです。
加えて、塗布面への付着性も弱く、塗装に高い技術を要します。

プロでない限り、広い面積を万全に塗装するのは難しいでしょう。
DIYには向かない塗料といえます。

屋根と外壁同時施工の場合は塗料の質を変える

屋根は紫外線や雨が直接当たり、塗料が劣化しやすい部位です。
外壁と同時に塗装する場合、塗料の質は変えた方が賢明でしょう。

シリコン塗料の耐用年数は8~15年といわれていますが、屋根は常に過酷な状況に置かれているため同じ塗料なら6~8年ほどです。
同じ時期に同じ塗料で塗装したら、耐用年数に差が出て、いずれ屋根だけ塗装しなければなりません。

施工には足場設置などの費用がかかるので屋根だけの塗装は不経済です。
屋根塗装にはフッ素塗料など、できるだけ耐用年数の長い塗料を選びましょう。

シリコン塗料の商品知識を蓄えておく

リフォーム塗装を検討し始めたら、業者に丸投げする前にある程度の知識をそなえておきましょう。
塗装業者にはさまざまなタイプがあり、中には塗料の質をごまかす業者もいます。

実際、シリコン塗料の性能はシリコンの含有量に左右されるのですが、カタログなどでは確認できないため判別は困難です。

下記は有名メーカーの代表的なシリコン塗料です。

塗料名 メーカー 平米単価
リファイン1000Si-IR アステックジャパン 2,000~2,500円/㎡
ハナコレクションシリーズ 日本ペイント 2,000~2,600円/㎡
セラMシリコン2  関西ペイント 2,300~3,000円/㎡
パーフェクトトップ  日本ペイント 2,400~3,000円/㎡
クリーンマイルドシリコン エスケー化研 2,500~3,000円/㎡

これらの商品を目安とし、塗料も業者も慎重に選びましょう。

シリコン塗料によるリフォーム|悪徳業者に騙されないコツ

塗装業者はピンキリです。
よい業者も多いですが、価格をごまかしたり、二度塗りを一度塗りで済ませたりする業者もいるため注意が必要です。
業者選びで意識しておきたいポイントを列記します。

・施工実績
・資格や許可
・質問に適切に答えられるか
・アフターや保証内容を確認する
・相見積もりを取る

施工に対する細やかな打ち合わせが大切です。
打ち合わせと実際の施工が異なる場合、すぐに契約破棄するくらいの覚悟でないと丸め込まれてしまいます。

できるだけ施工に立ち会うのが望ましいでしょう。

まとめ

シリコン塗料の人気の理由はコストと耐久性、そして色彩バリエーションの豊富さです。人気が製品開発に拍車をかけたため、求めやすい価格になってきたともいえます。
さらなる進化も期待できるでしょう。

施工に踏み切る前に、ご自宅がシリコン塗料に適しているかチェックし、複数の業者から見積もりをもらいましょう。

業者選びは慎重さが必要です。
じっくり検討し、ぜひシリコン塗料によるリフォーム塗装を成功させてください。