コラム

後悔事例から紐解く金属サイディングの適性 後悔しない4つの方法

2023年09月15日

スタイリッシュな外観と高い耐震性から需要の伸びている金属系サイディングですが、後悔やトラブルの事例も少なくありません。
メリット・デメリットを踏まえたうえでの導入にもかかわらず、後悔してしまうのは何故でしょう?

ここでは、具体的な後悔事例を提示し、後悔しないための対策および金属サイディングの適性について解説します。

どうぞ、後悔しない外壁選択にお役立てください。

後悔事例から紐解く金属サイディングの適性 後悔しない4つの方法

金属サイディングで後悔した事例

これまでに報告された金属サイディングでの後悔には、次のような事例があります。

・簡単に傷がついた
・雨音がうるさい
・熱くなった
・錆びた
・選んだものよりよいデザインがあった

それぞれについて解説します。

簡単に傷がついた

金属サイディングの薄さ・軽さは、耐震性や作業性の面ではメリットですが、衝撃に弱く傷つきやすい点がデメリットです。
実際、業者が施工作業中に無数の傷をつけてトラブルにつながった例があります。

また、生活し始めてからも「子どもがおもちゃを投げて傷がついた」「自転車が倒れて凹んだ」との報告があります。

雨音がうるさい

横殴りの雨や雹が降ったとき、バタバタと音が気になって仕方なかったと、後悔の声が寄せられています。

強い雨や雹なら、どの外壁でもそれなりの音はするものです。
しかしながら、金属サイディングは薄く振動しやすいためほかの外壁よりはるかに音が大きくなります。

熱くなった

猛暑日に金属サイディングの外壁を触ったら、ものすごく熱くて後悔したとの報告があります。

幸い火傷するまでには至らなかったようですが、夏場の車のボンネットの高温を思えば安易に手で触りたくはありません。

特に黒や濃紺など暗色系の金属サイディングは熱を吸収しやすいので注意が必要です。

錆びた

塩害による錆びは金属サイディングの注意点の一つです。
しかしながら、海から5kmも離れた地域で錆びたとの後悔事例がありました。

海風を受けやすい立地環境、もしくは自然への過小評価などが原因と考えられます。

錆びにくさは金属サイディングのメリットとして目にする機会が多いです。
その分、後悔の念はより強くなると思います。

選んだものよりよいデザインがあった後悔

金属サイディングのバリエーションの乏しさに対する後悔話は少なくありません。

・もう少し待てば、素敵なデザインがあった
・バリエーション豊富な窯業系サイディングにすればよかった
・無機的なデザインに飽きた
・太陽光の下で見ると、希望していた色味と異なる

情報収集は入念に行い、色選びは太陽光の下でやるのが賢明です。

金属サイディングで後悔しないための適性診断

以下のような人は金属サイディングの導入で後悔する可能性が高いでしょう。

・営業の言葉を鵜呑みにしてしまう
・海から近い地域に住んでいる
・傷がつきにくい外壁を採用したい
・コストを気にしてしまう
・温かみのある外壁が好み

営業マンの口車に乗せられると、メリットを過大評価しデメリットを過小評価する可能性があります。
塩害による錆びはまさにその典型でしょう。

「傷や凹みが気になる‥」
「初期費用はできるだけ抑えたい‥」
「外壁は温かみのあるものを選びたい‥」

上記のような希望がある方には、金属サイディングは不向きです。

金属サイディングで後悔しない4つの方法

金属サイディングで後悔しないために4つの方法を提案します。

1.デメリットを理解し対策をとる
2.メリット・デメリットと現実の折り合いをつける
3.信頼できる業者と入念な打ち合わせをする
4.ファーストインプレッションを信頼する

それぞれについて解説します。

デメリットを理解し対策をとる

以下は金属サイディングのデメリットと対策です。

デメリット 対策
傷つきやすい・錆びやすい
  • ほかの外壁材と併用する
  • 日常的にメンテナンスする
  • すみやかに補修する
断熱性・遮音性の低さ
  • 断熱材一体型の金属サイディング
  • 建物の構造として遮音性や断熱性を高める
乏しいバリエーション
  • 広い情報収集と太陽光の下での色選び
コスト高
  • 初期費用は掛かるが、耐用年数が長いためコストパフォーマンスは高い点を考慮する

デメリットを理解し、事前に対策がとれるならそれが望ましいです。
トラブルにはすみやかに対処しましょう。
放置していたら、後悔の念は深まるばかりです。

メリット・デメリットと現実の折り合いをつける

メリット・デメリットと現実の間には、ギャップが生じる場合もあります。
すみやかな対策で解消されるケースもありますが、そうでない場合には現実との折り合いをつける措置も必要です。

自然は常に想定外で、海から5km離れていても塩害で錆びる可能性はあります。
メリット・デメリットなど、ただの比較評価に過ぎないと思い知らされます。

折り合いをつけながら、柔軟に対処していくのが望ましいでしょう。

信頼できる業者と入念な打ち合わせをする

金属サイディングで後悔しないために最も重要なのは業者選びです。
決して自然を軽視せず、メリットの過大評価、デメリットの過小評価をしない信頼できる業者を選びましょう。

複数業者への相見積もりは当然です。
自身でも情報収集を十分に実施したうえで、保証期間やメンテナンスなどについて業者と入念に打ち合わせましょう。

ファーストインプレッションを信頼する

金属サイディングを選んだときの最初のインスピレーションを再度思い浮かべてみましょう。

近未来的なスタイリッシュな外観に魅かれたのかもしれません。
あるいは耐用年数や耐震性に安心感を覚えた可能性もあります。

金属サイディングのメリットを再認識し、自身の決断を受け入れる強さや責任が必要です。
自分を信じましょう。

まとめ

金属サイディングへの後悔を検証すると、メリットへの過大評価とデメリットの過小評価が影響しているようです。
メリット・デメリットは比較評価に過ぎません。
絶対ではないと肝に銘じておきましょう。

自然の猛威は常に想定外です。
ファーストインプレッションを大切にしつつ現実に柔軟に対応し、後悔のない外壁選びに踏み切りましょう。